「節約してるのにお金が増えない」
「意識しているのになぜかいつも赤字家計になる」
最近貯金を意識し始めた人ほど最初にぶつかる壁です。頑張っているのに結果が見えないのは辛くてしんどいですよね。
筆者の独身時代は今に比べるとかなり浪費癖がありました。「まだお金があるからいいや」と言って、飲み会や美容、旅行にと次々にお金を使っていました。
結婚を機に家計管理の見直しをして少しずつ資産が増えてきましたが、筆者自身も「なぜこんなに頑張っているのにお金が貯まらないんだろう」と辛くなったときがあります。
今回は節約しているのになぜかお金が貯まらないという人の「節約しているつもり」になっている人の特徴をまとめてみました。
1.「割引」の言葉に惹かれる人
「割引」と聞くと買わないと損をするのではないかと思い、思わず手に取ってしまうことはありませんか。
本当に欲しかったものを安く手に入れられたらラッキーですが、「割引」の言葉だけに踊らされて要らないものまで買ってしまい、余計な出費が嵩む場合があります。
割引がお得に感じる理由
次のABは同じ化粧水です。どちらがより欲しいと感じますか?
A:通常6000円のところ、セールで3000円です!
B:通常3500円のところ、セールで3000円です!
Aの商品の方が圧倒的にお得に感じるかと思います。
しかし、このときに考えなけばならないのは、この化粧水は値段に見合う価値があるものなのか?そもそも相場に合った価格なのか?など値段の背景を考えなければなりません。
最初に提示された数値が頭に残り、再掲示された数値の正しい判断や認識を歪められてしまうことを「アンカリング効果」と呼びます。
つまり数値の変化の大きさに気を取られ、冷静な判断ができなくなってしまうのです。
このテクニックは、メーカー希望小売価格によく使われています。
(例)メーカー小希望売価格5000円のところ、うちは3500円で販売しています
こう言われた方がお得に感じるので、つい購入してしまうのです。本当は元から3500円で買えるものかもしれないのに、です。
対策
割引の商品を買うことは悪いことではありません。筆者も安くなっているものを買うことはあります。
問題なのは「割引されたものをたくさん買うこと」「割引と聞いたら条件反射で買ってしまうこと」なのです。
必要以上に購入すると場合によっては不要なものとなり、無駄遣いになってしまいます。大切なのは自分にとって本当に欲しい分だけを買うことです。
割引に飛びついて衝動買いをせず、本当に必要か?今すぐ必要なものか?など一旦立ち止まって考えてから購入する癖をつけましょう。
衝動買いを防ぐ方法は「ミニマリストの無駄にならない買い物術」を参考にしてください。
2.「お得」を意識しすぎる人
「今だけ」「無料」「お得」この言葉を嫌いな人はいないですよね。
しかし、気が付かないうちに必要以上にお金を使ってしまっている可能性があるので気を付けなければなりません。
具体的な「お得」の落とし穴の例としては
・無料とは別の商品を売りつけられる
・無料と見せかけて実は購入した商品代に含まれている
・ポイントにつられて買う必要のないものまで買ってしまう
・必要以上に買って使いきれずに捨ててしまう
などがあります。お得に見せかけてお得ではないことがよくあるのです。
お得だと感じる理由
「○日までポイント大還元セール!」
「今だけ無料でプレゼント」
「今なら全額返金保証キャンペーン」
よく目にする言葉ですが、これらはお得に見せかけて消費者にたくさん消費させようとする企業戦略の言葉です。
人間は損をしたくない生き物なので、なるべく損になる機会を避けるような行動をとります(損失回避性)。そのため、損失する機会の確率をよく考えずに買ってしてしまうのです(プロスペクト理論)。
例えば年に一度の「ブラックフライデー」はどこのお店も安くなります。
この機会を逃すとなんとなく損した気分になるので、つい色々と買ってしまうでしょう。その結果、必要以上にお金を使うことに繋がってしまうのです。
対策
要らないものまでお金を使わないようにするためには、買い物メモを作ったり、欲しいものリストを作ったり、必要なものだけが視野に入るような工夫をします。
また、欲しいと思ったら少し時間を置いてから買うようにすることも効果的です。
お得の中でも「無料」という言葉には特に注意をしなければなりません。なぜなら「無料」で商売が成り立つことはほとんどないからです。
無料という言葉で客を引き寄せ、他の商品を売りつけるなんてこともよくあります。
『お得』の言葉の裏には「(お得に)見せかけている」「客引き」である可能性があることを常に忘れないようにしましょう。
3.お金の使い道にメリハリがない人
節約は切り詰めるとどこまでもできてしまいますが、「ここにはお金をかけたい」というところに遣わないと、却ってストレスになってお金を遣ってしまうことがあります。
例えば「頑張ったご褒美に高級ブランドのバッグを買おう」「疲れたから自炊をしないで外食にしよう」などという経験はありませんか。
これらに共通するのは「ストレスによる散財」です。
対策
1番いいのはストレスをなるべく溜めないように、日ごろから運動やストレッチをするなどして、ストレス発散を小まめにしておくことです。
ストレスを溜めないようにするのは無理!という人は、節約して貯めたお金をどこにどう使うのか、決めておきましょう。
お金は使うものです。価値を感じるものに気持ちよく支払えたとき、「また明日からも節約を頑張ろう」という前向きな気持ちになりますよ。
4.どんぶり勘定または家計簿をつけていない人
貯金をするうえで大切なことは、毎月の家計の支出と収支をしっかりと知ること。毎月の収支が支出より上回っていたら黒字家計、逆に支出が収支を上回っていたら赤字家計となります。
どんぶり勘定になっている人は、正確に黒字か赤字か抑えができていない可能性が高いです。
また、家計簿をつけるだけつけて見直しをしていない人も要注意です。
筆者は独身時代、家計簿を毎月つけていたのですが、(なぜか)支出だけ記入して収支を記入せず、毎月どれくらい貯金できているのか正確な数値を把握できていなかったのです。
まさしく、家計簿をつけて家計管理をしているつもりになっていました。
対策
家計簿をつけていない人はまず、毎月きちっとつけるところから始めましょう。
どこにどれくらいお金をかけているのか、もっと節約できるところはないか家計簿をつけながら節約の作戦を立てます。
また、最近はキャッシュレス化が進み、現金を使わない人も増えているかと思います。そういう人はアプリとクレジットカードを連携すれば自動でつけてくれるものを利用すると良いでしょう。
おススメは筆者も使っている「マネーフォワードミー」です。
これなら面倒くさくて家計簿をつけられない人も簡単に続けられますし、クレジットカードで使った分だけ金額が反映されるので、どんぶり勘定になってしまうことも防げます。
5.節約の目的がない人
何のために節約していますか?貯めたお金で何を買おうとしていますか?
意外と節約を頑張っている人に多いのが「目的がない」ということ。かつての筆者もなんとなく貯金をしたいと思い、ただダラダラと節約節制を頑張っていました。
目的がないと何のために頑張っているのか分からなくなり、辛くなります。辛くなるとストレスになり、お金を使ってしまいます。
目的があると「我慢するところ」と「使ってもいいところ」が分かるようになり、お金の使い方にメリハリがつきます。メリハリがつくと節約が楽しく続くようになります。
対策
自分はどんなことにお金を使うと幸せに感じるのか分析をします。
おススメは毎月の家計簿を振り返る際に、「買い物して良かったもの」と「買い物して後悔しているもの」を上位3つずつ書き出すことです。
買い物とは「物」に限らず「サービス」も含みます。サービスとは、接客、映画、ホテル、美容院など実物を伴わないものに対して支払う対価のことを指します。
「何のために節約しているのか」が見えてくると、ストレスなく節約節制ができ、資産が増えるペースも早くなりますよ。
まとめ
お金を貯めるためには月々の支出を抑えること。割引でもお得でも、一番貯蓄が増える方法は「お金を使わないようにすること」です。
大量消費・大量生産の現代では、企業も色々な手を使って消費者に買わせようとします。
そんな企業戦略に乗らないようにするためには、ミニマリズムを取り入れ、自分にとって最低限必要なものの把握をしておくことや、企業戦略でよく使われる言葉を知っておくことが役に立ってくるでしょう。
知らず知らずの間にお金を使っていなかったか、これを機に見直してみてくださいね。